健康診断、どれくらい受けるか?
「たくさん受ければ良い」ってワケじゃないらしい
「健康のためには検診をたくさん受けた方がいい」と思いがちだけど、そうでもないっぽい
過剰診断
一生症状が出ることのない病気を見つけてしまうことを過剰診断と呼ぶ。
韓国で甲状腺がん検診を大規模にやった結果、女性の発症者が15倍に急増したけど、死亡率は変化しなかったらしい。つまり手術を受けた人の多く(推定9割)は、本来治療の必要がなかった。
検診がもたらす具体的な害
偽陽性による精神/金銭的負担
- 追加検査の時間・費用
- 精密検査を受け、実は陰性だったと分かるまでの不安とストレス
不必要な治療のリスク
- 手術や治療のミスによる合併症、後遺症、副作用
放射線被ばく
- CTスキャンなどの検査による被ばく
社会的・経済的影響
(実際は治さなくても良い)病気が見つかると
- 民間の医療保険に加入するときに不利になる
- 就職・転職時に不利になる
科学的根拠のない検診が横行してる
日経の調査だと、自治体の9割で科学的根拠が薄いがん検診が実施されてるらしい。人間ドックのオプション検査の多くも、「死亡率を減らす」効果が証明されてない。
例えば膵臓がん検診は、米国の専門委員会が推奨度「D」(実施しないことを推奨)と判定してる。進行が速すぎて、検診で見つけても手遅れになることが多いから。
じゃあどうするのがいいのか
30歳男、特に持病とかないおれの場合。女性とか持病があったりしたら多少変わりそう。
基本的な健康診断を年1回受ける
正社員なら企業の定期健康診断、自営業(40代以上)なら自治体の特定健診、自営業(30代以下)なら健診センターに申し込みして受ける。
内容は以下の基本項目で十分
- 血圧測定
- 血液検査(脂質、血糖、肝機能)
- 尿検査
- 胸部X線検査
- 心電図(35歳以上)
これらは生活習慣病の早期発見に役立つし、科学的根拠もある。
年齢に応じて、追加のがん検診を受ける
厚生労働省が推奨してる、科学的裏付けが強いとされる検診を受ける。
⏰ 40歳になったら
- 大腸がん検診(便潜血検査):年1回
- 肺がん検診(胸部X線):年1回
⏰ 50歳になったら
- 胃がん検診(胃内視鏡または胃X線):2-3年に1回
※ 家族歴(親や兄弟ががんになった)がある場合は、もっと早く始めることも検討。